アトピー 新薬 いつ

アトピー性皮膚炎のメカニズム発見!新薬開発はいつ?

アトピー性皮膚炎に悩んでいる方は自分や周りの人など

結構多いのではないでしょうか。

私の周りでもよく聞きます。

アトピー性皮膚炎は現在、増加傾向となっており、

なんと日本人の約1割もの人が、患っているとも言われています。

 

そんなアトピー性皮膚炎のかゆみのメカニズムが発見されたということで、

新薬開発に期待が集まっています。

一体いつごろ新薬が出来るのでしょうか?

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アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎は、主に「かゆみ」と「湿疹」

よくなったり悪くなったりを繰り返し、

なかなか完治しない慢性的な皮膚の病気です。

 

アレルギー体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い人に

多く見られます。

一般的に6ヶ月以上(乳幼児では2ヶ月以上)続くと

慢性と診断されます。※1

 

 

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アトピー性皮膚炎のメカニズム発見!

いまや国民病とも言われるアトピー性皮膚炎ですが、

これまでその詳しいメカニズムはずっとわかっていませんでした。

 

これまでも免疫系細胞から発生した物質が

かゆみを引き起こしている=原因物質というのはわかっていました。

 

が、免疫系細胞はそもそも体の中で病原体などの異常をみつけ、

攻撃して身を守るという良い役割もしているものです。

 

現在、アトピー性皮膚炎の治療に使われている薬は、

免疫系細胞全体の働きを抑え込むことで痒みを抑えているため、

これまで抑え込んでいた病原体などを抑えきれずに

感染症などにかかりやすくなったり、

さまざまな副作用が起きる可能性もあり、

医師の指導のもとで薬が使われているというのが現状です。

 

これらの薬というのは、かゆみが出た時の対症療法なので、

かゆみの根本というのを止めることができなかったのです。

 

が、今回、九州大学の福井宜規教授を中心とした研究チームが

アトピー性皮膚炎のかゆみ物質を作り出すタンパク質を発見しました。

このことで、かゆみを根本から立つ治療に道がひらけたということなのです。

 

研究チームは、かゆみ物質が作られるのをブロックするタンパク質を発見し、

それを確かめるために、このタンパク質が全くないマウスを作りました。

すると、体内でかゆみ物質がどんどん増加して、そのマウスは、

アトピー性皮膚炎になってしまいました。

かゆみ物質をブロックするタンパク質がないと、

このマウスのようにアトピーになってしまうことがわかったのです。

 

研究チームがアトピー性皮膚炎のマウスの免疫系細胞を詳しく調べたところ、

かゆみ物質を作り出して、アトピー性皮膚炎を引き起こしていた

EPAS1(イーパスワン)というタンパク質を発見しました。

これがアトピー性皮膚炎を引き起こす

そもそもの張本人のタンパク質だったのです。

 

この研究によって、EPAS1(イーパスワン)を抑えれば、

アトピー性皮膚炎の痒みが出ること自体を防ぐことができるということがわかりました。

 

このことは、マウスを使った実験だけではなく、

アトピー性皮膚炎の患者の細胞でも確認されたということです。

 

アトピー性皮膚炎の新薬開発はいつ?

アトピー性皮膚炎のかゆみを根本から絶つ

新薬を開発できる可能性が出てきました。

 

日本皮膚科学会理事長の島田教授は、

「かゆみをピンポイントで抑える薬ができれば、

効果が高くて副作用の少ない治療となる可能性がある」

と話しています。

 

今は、アトピー性皮膚炎のメカニズムが発見されたばかりの状態なので、

どのくらいで特効薬が出来るかはまだ分かりませんが、

新薬開発に期待が高まります。

 

いつ新薬が出来るか、ですが、

一般的に、新薬開発には、10年前後かかるとも言われています。

 

それまでは医師の処方のもとで対症療法となる薬を使用する必要がありそうですが、

最近は、新生児から保湿剤を使用することで、アトピーの発症リスクを

3割に抑えられたというデータも出ているため、※2

肌のバリア層となる保湿剤を使用してみるのもいいかもしれません。

 

アトピー性皮膚炎は悪化すると、日々の暮らしだけではなく、

就職活動や恋愛で消極的になる人もいたりして、

生活の質を下げてしまう恐れがあります。

私の知り合いにもアトピーの方がいましたが、

見た目も気にされたり、かゆみなどで大変そうでした。

 

根本から解決できる新薬が本当に早くできると良いな、

と思います。

 

アトピー性皮膚炎の痒みが出るのを根本から防ぐ新薬が出れば、

今の治療では対応しきれない患者にとって希望の光となることは

間違いありません。

 

《参考文献》

※1 日本皮膚科学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン

※2 国立成育医療研究センター 世界初・アレルギー疾患の発症予防法を発見(アトピー性皮膚炎発症が卵アレルギーの発症と関連)

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