先日、歯が全くない人は、歯が20本以上ある人に比べ、
抑うつになるリスクが高くなる、ということを
ニュースで見ました。
歯の健康は、”うつ”など精神的な病にも係ってくるのですね。
なぜ歯がない人は抑うつになるリスクが高いのか、
防ぐにはどうすればいいのかをまとめました。
歯がない人の抑うつリスクは高くなる!
神奈川歯科大学などの研究で、高齢者の歯が全くない人は
歯が20本以上ある人に比べて、
抑うつになるリスクが1.28倍と高くなることがわかったそうです。
この研究は、65歳以上の約1万4000人を対象に、
歯や口の健康と、精神的な健康の関係を調べたものです
「半年前に比べて固いものが食べにくくなったと感じている人」は「そうでない人」に比べて |
抑うつリスク : 1.24倍 |
「歯が全くない人」は、「歯が20本以上ある人」に比べて |
抑うつリスク : 1.28倍 |
歯がない人の抑うつリスクが高くなるのはなぜ?
歯がないと、どうして”抑うつ”リスクが高まるのでしょうか。
山本龍生教授は「高齢者にとって食事は大きな楽しみであり、
友人らとの食事は社会参加という意味でも重要で、
歯の健康を保つことが精神的な健康につながる」と話している。
出典:http://www.ntv.co.jp/pda/news/351138.html
山本龍生教授によると、
高齢になると、仕事を定年になったり、
だんだんとできることが少なくなる中、
食事自体が楽しみになるため、
歯の健康が精神的な健康にも繋がるそうです。
食事は生き物が生きていく上で不可欠な行為です。
毎日毎日の食事が満足にできないというのは
大変なストレスになることも想像に難くないです。
食事も満足に取れない状況になると
ストレスから、抑うつ状態が引き起こされる、ということなのでしょうね。
私自身、親知らずを抜いたとき、片方の歯でしか噛めなかったときも
ストレスでした。
(詳細は、親知らずを抜歯した体験談!痛みや腫れは?費用は?に書いてます)
今、8020運動というのが盛んに言われていますが、
満80歳まで歯を20本以上残そう!ということです。
ランの歯の矯正の関係で歯医者に何度も行きますが、
先日行った時、歯がかなりなくなってしまっている方が、
「どうにかならないですかね」
と歯科医に相談されているのが聞こえてきて、
かなり切実そうで、やっぱり歯がなくなると大変なんだな、と思いました。
歯がなくなる原因は?
歯をなくさないようにするには、
歯がなくなる原因を知り、
歯をなくさないように自分で気をつけなければいけません。
歯がなくなる一番の原因は、歯周病です。
歯周病とは、歯垢の中の細菌によって、歯肉に炎症が起き、
次第に歯を支える骨が溶けていく病気のことです。
悪化すると膿が出たり、歯が抜けてしまうことを歯槽膿漏と言うそうです。
具体的には、
歯周病菌が、歯と歯肉の間の歯周ポケットに入り込み、
歯肉が炎症を起こす。
↓
歯と歯肉の間の組織がどんどん破壊され、
歯周ポケットが深くなっていく。
↓
炎症により歯の周りの歯を支えている歯槽骨が溶けていく。
↓
炎症が進む
↓
歯槽骨がさらに溶け、歯がグラグラしてくる。
↓
歯が抜ける
ということです。
歯周病、コワイですね。
1本抜けると、両脇の歯が雪崩を起こすように
なくなってしまったスペースに倒れこんできて、
徐々に歯を失っていくことになります。
1本くらい抜けても大丈夫、ではなく、
まずは、1本の歯も無くさないように気をつけることが大事です。
歯がなくなるのを防ぐには?
歯周病の直接の原因は、歯垢です。
人の口の中には、約500数種類の菌がありますが、
歯周病菌は6,7種類と言われています。
それらの菌が、栄養があって空気がないところ(歯周ポケット)に
入り込み、繁殖し、毒素を出したり、歯肉に侵入しようとします。
歯肉は、侵入させまいと白血球などで
歯周病菌と戦います。
結局、歯周病菌と、歯肉の抵抗力のどちらが強いかで
歯周病になるかならないかが決まると考えられています。
丁寧によく歯磨きをすることで、歯周病菌を減らすと、
歯肉の抵抗力の方が強くなり、歯周病にならずにすむ、というわけです。
なので、丁寧な歯磨きは、歯周病の予防・治療にとても有効です。
虫歯や口臭を予防する歯磨き粉を使って
丁寧に歯を磨くとより良いかもしれません。
それと同時に、歯医者で歯石を取ってもらうなど
定期的にクリーニングをしてもらう、
歯肉の抵抗力を弱めないことが大切です。
歯肉の抵抗力は、食生活、喫煙、姿勢、全身疾患、ストレス
にもよります。
規則正しい生活を送ることは、歯の健康にとっても
大切です。
心身の健康のためにも、歯を無くさないようにしたいですね。