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乳児にハチミツが危険な3つの理由!加熱すれば大丈夫なの?

4月7日、生後6ヶ月の乳児が蜂蜜でボツリヌス症を発症し、亡くなるという痛ましい事故が起こりました。国内でこの病気での死亡事例は初だそうです。

私もハチミツが乳児には危険と何かで情報を得て、娘が乳児の頃には絶対食べさせないようにしていました。

ハチミツが乳児に危険な理由や加熱すれば食べられるのか?いつからハチミツを食べてもいいのか?など気になることを調べてみました。

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乳児にハチミツが危険な理由は?

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乳児にハチミツが危険ということはいまや常識のようになっています。

これは、1987年に厚生労働省が「1歳未満の乳児にハチミツは与えてはいけない」としたためです。現在では、育児書や母子手帳、販売されているハチミツの注意書きなどで注意喚起が呼びかけられているので、子供がいてもいなくても目にした方は多いのではないでしょうか。

乳児にハチミツを与えることが、なぜ危険なのでしょう?主に以下の3つの理由があります。

乳児にハチミツが危険な3つの理由!

  1. 蜂蜜に『ボツリヌス菌』が含まれているかもしれない
  2. 乳児は腸内細菌が整っていない
  3. 乳児は抵抗力が弱い

 

ハチミツには、『ボツリヌス菌』という菌が含まれている場合があります。「ボツリヌス菌」は食中毒菌です。

大人の場合、ハチミツに含まれる程度のわずかなボツリヌス菌では症状は出ません。

が、腸内細菌叢(腸内の菌の集まり)が整っていない状態で、しかも抵抗力が弱い乳児がハチミツを摂取するとボツリヌス菌が腸内で増殖し、『乳児ボツリヌス症』を発症する恐れがあるため、ハチミツを与えてはいけないことになっています。

 

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乳児ボツリヌス症とは?

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乳児ボツリヌス症とは、生後3週間〜6ヶ月の乳児に見られ、死に至る危険性もある恐ろしい食中毒です。

ボツリヌス菌による中毒は、症状が出始めるまでの潜伏期間が3日〜30日ほどと長く、幅があるのが特徴です。

致死率は1〜3%と低いですが、完治するまでに数カ月かかります。

 

乳児ボツリヌス症の症状

今回、亡くなってしまった乳児は、せきや鼻水などを発症後、けいれんや呼吸不全を起こして救急搬送されたそうです。発症後、1ヶ月半後に亡くなりました。

ボツリヌス菌は神経に働きかけるので、通常の食中毒のような嘔吐や下痢という症状ではありません。

腸内で毒素が発生すると、元気がなくなり、便秘やミルクをあまり飲まなくなる、泣き声が弱い、よだれが多い、首のすわりが悪くなるなどの症状が出ます。ボツリヌス菌が筋肉の麻痺を引き起こすためです。

最終的に呼吸筋まで麻痺し、呼吸ができなくなり死に至ります。

 

乳児ボツリヌス症の治療

ボツリヌス症になると、呼吸ができなくなることがあるので、呼吸の管理が必要です。

また、『ボツリヌス多価抗毒素血清』をできるだけ早めに投与します。

 

乳児ボツリヌス症の予防

ボツリヌス症の予防としては、ハチミツを1歳未満の乳児に与えないようにすることが一番の予防方法です。

 

乳児に危険なハチミツの量はどのくらい?

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今回起きたハチミツにより乳児の死亡事故では、1日に2回、ハチミツが入ったジュースを1ヶ月にわたり与えていたそうです。ハチミツの量としては1日10グラムほどの摂取量だそうです。

日本で販売されているハチミツの5%はボツリヌス菌に汚染されていると言われています。

ハチミツの摂取量に関わらず、1歳未満の乳児にはハチミツを与えないようにすることが一番安全です。

普通の砂糖やメープルシロップは問題ありませんが、コーンシロップ、自家製の野菜ジュース、黒砂糖などもハチミツ同様に危険と言われています。

 

ハチミツは加熱すれば大丈夫なの?

蜂蜜加熱

菌はある程度加熱すれば大丈夫、という印象がありますが、ハチミツに含まれるボツリヌス菌は芽胞(がほう)という菌の種のような状態のため加熱しても死滅しません

ハチミツは加熱しても乳児に与える、というのは危険ですのでやめましょう。

そもそもボツリヌス菌は、土の中で、芽胞(がほう)という耐久性の高い休眠状態となっており食べ物につく機会を待っています。芽胞がいる土壌で育った植物に芽胞がつき、ミツバチは芽胞がついた花粉を運んだりするため、ハチミツに芽胞が含まれるということになります。

芽胞状態のボツリヌス菌は、100℃で10分間加熱しても完全に死滅させることはできません。それどころか、芽胞状態から目覚め、毒素をより多く作る状態となってしまいます。

 

また、土がついた手や土がついた食べ物をよく洗わないで調理するとボツリヌス菌の芽胞が混入してしまう恐れがあります。

ボツリヌス菌の芽胞は低酸素状態に置かれると毒素を作り出します。

ボツリヌス菌の毒素自体は、熱に弱く、80℃で30分、あるいは100℃で10分の加熱で毒性を失います。肉などについたボツリヌス菌は十分な加熱によって食中毒を防ぐことができるというわけです。

 

ハチミツはいつから食べられるようになる?

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ハチミツを食べられるようになるのは、1歳以上からと言われています。

1歳を超えると腸内細菌が増え、抵抗力が高まるためハチミツを食べてもボツリヌス菌は死滅し、ボツリヌス症を発症しなくなります。

私は念のため、3歳以上にならないとハチミツは与えませんでした。特に与えなくても困らない食品ですしね。

 

ボツリヌス菌は猛毒!

ボツリヌス菌の毒素は、現在、地球上で最強とも言われるほどの猛毒です。500グラムのボツリヌス毒素で全人類を確実に殺すことができるそうです。

新しく発見されたボツリヌス菌h型を用いる場合、8.3グラムの毒素があれば全人類は死んでしまうそうです。

60kgの人を殺すのに必要なサリンが12gであるのに対し、ボツリヌス菌の毒素はサリンのなんと20万分の1の0.00006 mgのみです。

ボツリヌス菌を細菌兵器として研究開発をしていた国もあります。

ボツリヌス菌はそれほど恐ろしい菌なのです。

 

まとめ

最後は怖いお話になってしまいましたが、ボツリヌス菌は本当に恐ろしいものなので侮ってはいけません。

1歳未満の乳児にはハチミツは絶対与えないようにしましょう。

乳幼児に与えてはいけないという食べ物はいくつかありますので、最初に食べさせる時には、もう食べてもいい物なのか調べたほうがいいですね。

亡くなられた男児の親御さんもハチミツは健康にいいイメージがあるので、子供の健康を願って与えていたのだと思います。その親心を思うととても胸が痛くなります。

ご冥福をお祈りいたします。

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